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2013.01.15 和と平
「人間を生みの親とした僕から見ても、人間とは異質な生き物だよ」
顎を撫でつつ、自分よりも二回りも小さな同族へと語りかける、とある男性。
その指は硬く金属に覆われていて、顔は無機質なマスクに隠されていた。
時は20XX年。
人類はすでに人工知能を完成させ、今やロボットと人間は共生する立場にある。
人間の住処を掃除する役目をもって生まれたこの二対のロボット達も、
すでに人間並みに賢く、人間に言わせれば生意気な口が利けるほどの頭脳を手に入れていた。
「個体群の多い魚類ですらしのぐ勢いで、数を増やしているですからねー。
 あ、あと、他のあらゆる動物を知り、時には使役・管理を行うのも人間だけですー」
ぱちぱちと手を叩き、子供ロボットが賛同する。
その背格好と声からは想像もつかない、大人びた知能をその子供は持ち合わせていた。
「理由のない形式美や姿の見えない救世主にやたらとこだわるしな」
「本能で生き抜くにはあまりにもひ弱であり、個々で生存することはできないとかですねー」
「それを思うと、人間ってやはり変な奴だよ」
「動物としては異色ですねー」
やはり人間が聞いていては黙っていないだろう言葉を並べ立て、彼らはなおも談笑する。
しかし聞いている限りでは、一理あるともとれる供述もいくらかあるのは事実だろうと思うのだ。

「…ん。僕は人間のこと、動物、とも言い難いと思うんだ」
ふと、子供ロボットの言葉にひっかかるものがあったのか、父親ロボットが呟いた。
「人間はDNA的には哺乳類に分類される、れっきとした動物です。一体何が違うです?」
「あーいや、生物学的にはそれが正しいんだろうけど、ね…」
「?」
しばらく、駆動音だけが場を支配して。
やがて言葉をまとめた彼は、子供の前に一本の指を立てた。

「人間が他の地球の生物と明確に区別されなければいけない理由。
 それは、10の戦力で億を殺せるに至ったことさ。
 動物はその身体能力に甘んずる限り、生態系を揺るがすほどの暴力をふるうことはできない。
 ただひとり、兵器という物体を製造しうる人間だけが、大量殺戮を可能としているのだよ」

突拍子もない話が飛び出し、子供が目を丸くしていると、父親ロボットは得意げに続けた。
「だから人類が平和を求めるのも、ある意味では自衛と言えるのだろうね」
「それは、如何にしてですか?」
子供ロボットが首をかしげるのを見て、自信ありげに父親ロボットは答えた。

「今や戦争が起きれば、自分自身が、いや、人類が簡単に滅亡することができる段階だからだよ」



昔々に考えた、“教え込まれる平和主義”についての考察をSSにしてみました。
こんなくだらないことばかり考えて育った私です。(ぇ
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